テレワークの普及により、カフェやコワーキングスペースでノートPCを開き、商談や打ち合わせを行う光景が日常的になりました。しかし、その手軽さと引き換えに「物理的な情報漏洩」のリスクが急増しています。今回は、一見すると絶対に見破れない「モバイルバッテリー型盗聴器」の実態と、カフェでの打ち合わせに潜む罠について解説します。

カフェでの機密商談。そのテーブルの上は安全ですか?

札幌市中心部のコワーキングスペースを頻繁に利用しているフリーランスのクリエイター(Cさん)からのご相談でした。大型コンペの企画案をカフェスペースで共同作業者と打ち合わせていたところ、後日、競合他社から酷似した企画が先行して発表されたのです。

Cさんは「カフェで大声で話したわけでもないし、隣の席には誰もいなかった。どうやって情報が漏れたのか見当がつかない」と困惑されていました。当社がCさんの持ち物や最近の行動履歴をヒアリングしていくなかで、一つの「見慣れないアイテム」が浮上しました。それが、数週間前に別の取引先から”粗品”として受け取ったという、小型のモバイルバッテリーでした。

分解して判明した「仕込まれたSIMカード」

当社の専用機材を用いてCさんの仕事用カバンをスキャンしたところ、微弱ながらも携帯電話の電波帯(LTE/4G)と連動する不審な信号をキャッチしました。
その発信源は、まさにCさんが普段使いしていたそのモバイルバッテリー。外観は市販されている有名メーカーの製品と全く同じで、実際にスマートフォンを充電する機能も備えていました。

しかし、特殊工具でケースを開けると、本来のバッテリーセルの隙間に、超小型の集音マイクと通信用のSIMカードが組み込まれたマイクロ基板が隠されていました。これは「デジタル式盗聴器(通称:SIM盗聴器)」と呼ばれるものです。

モバイルバッテリー型デジタル盗聴器の恐ろしさ

従来のアナログ電波式(UHF帯など)の盗聴器は、受信機を持った人間が半径100m程度の近くにいなければ音声を聞けませんでした。しかし、近年のデジタル式盗聴器は以下のような恐ろしい特徴を持っています。

  • 地球上のどこからでも聞ける:携帯キャリアの電波網を経由するため、犯人が海外にいても、指定の電話番号にかけるだけで周囲の音声をリアルタイムで盗聴できます。
  • 外観での判別は不可能:スマートフォンと接続用のUSBポートやLEDインジケーターもあり、充電もできるため「ただのバッテリー」として持ち歩かれます。
  • 長時間の待機が可能:大容量のバッテリーそのものに寄生して電力を得るため、長期間にわたって作動し続けます。

Cさんの場合、商談相手である”取引先”そのものが情報を抜くために意図的にバッテリーを渡し、Cさんが気付かずにカフェのテーブルに置いていたことで、企画会議の音声がクリアに筒抜けになっていたと推測されます。

コワーキング時代に必須の防衛策

外部で重要な打ち合わせを行う際は、相手が誰であれ「出所の分からない電子機器」をテーブルに出さないことが鉄則です。また、自分が離席しているわずかな隙に、カバンの中に小型のUSB型レコーダーなどを放り込まれるケースもあります。

特にフリーランスや個人事業主の方は、大企業のような強固なセキュリティシステム環境外で仕事をしているため、ターゲットにされやすい傾向があります。「自分が狙われるはずがない」という油断を捨て、定期的に自身の持ち物やオフィス周辺の電波状況を点検することが、現代の新しい働き方における自己防衛策と言えます。

持ち物の調査・デジタル盗聴器に関するQ&A

Q. いただき物の電化製品が怪しいです。持ち込みで調査してもらえますか?

A. はい、出張調査だけでなく、怪しい物品のピンポイントな検査も承っております。ただしデジタル送信機の場合、特定のタイミング(相手から着信があった時など)しか強力な電波を出さないものもあるため、数日間のモニタリング調査やX線検査と同等の内部確認が必要になる場合があります。

Q. デジタル盗聴器(SIM式)は市販の受信機で発見できますか?

A. 非常に困難です。市販の数千円の盗聴器発見器はアナログ電波(VHF/UHF)にしか反応しません。スマートフォンの通信帯域(4G/5G/Wi-Fi)を使用するデジタル機器を発見するには、専門業者が使用する数百万円規模の広帯域スペクトラムアナライザと、それを解析する高度な技術が必須となります。

そのモバイルバッテリー、本当にただの充電器ですか?
企業・個人の情報漏洩リスクをプロの技術で徹底排除します。

疑わしい物品の調査もお任せください。札幌市内は最短即日対応。

LINEで無料相談・画像送信でのご相談も可 050-1724-1110(受付10:00〜23:00)